罠(2003)F50、アクリル・キャンバス 佐久美術展 佐久広域連合賞

個展をやったんだけど、会場で公開制作と称して絵を描いていたの。会場で描くんだから、ということで、匂いなどの問題がある油絵具は避けて、アクリルで描いてみた。一応キャンバスの縦横の長さに対する黄金比を使って、いろいろなものの位置を決定した。今回はまずは絵具を適当に塗ったくって、そこからイメージを膨らませていった。好奇心から暗闇を覗き込んだはいいが、気付かないうちに、もはや逃げ道はなくなっている、ていうような感じを、描きながら感じて、こういう題になった。縦に走っている白い線は、まあ蜘蛛の糸、みたいな感じ?右上のほうのなんかよく分からんものは、モデリングペーストに茶色と青の絵具を混ぜて、厚塗りした。厚塗りかあ…。よもや自分がそんなことするとは思わなんだ。バランス取るためのよく分からん線とかを否定しておきながら、またもややってしまいました。ああ無節操…。でもそういう罠にかかった犠牲者を描くのだから、どうせなら全員裸のほうがより効果的だったかな、などと反省した。不安定な姿勢はうまくいっていると思うけれど。陰影はハッチングでやっているんですが、近くで見ると荒いこと荒いこと…。最後にグロスメディウムを全面に塗布して、ニス代わりにした。暗い色は濡れ色のほうが深みが出ていいもんね。
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