最近面白いと思うこと・もの





○ジャン=ルイ・フロレンツが面白い
だいぶ久しぶりの更新ですが。ジャン=ルイ・フロレンツ(1947-2004)はフランスの作曲家。民俗音楽学者でもあったようで、アフリカとかに何度も足を運んで民族楽器の調査とかしてたらしい。で、アフリカの音楽とかのエッセンスをデュティユーにも通じる印象主義的な色彩感ある近現代的和声に組み込んで良い感じの音楽を作っていた。デュティユーよりだいぶ若い完全に現代音楽の世代だけど、デュティユーよりも聴きやすい。デュティユーだって現代音楽というより近代音楽とか言われちゃったりするくらい(つまり聴きやすいってこと)だから、超聴きやすい。超耳に心地よい。『アメンタの庭』https://www.youtube.com/watch?v=EEPgy0Uv9Lsで初めてフロレンツを聴いたんですが、その色彩感ある音楽に酔いしれた。いいわあ。他にも『Qsar Ghilane』https://www.youtube.com/watch?v=o9k0psLEKzwとか、いいですなあ酔いしれますなあ。50代で亡くなってしまって、作品数が少ないのが残念。フランスの作曲家はオルガン音楽作ってることが多いんだけど、フロレンツも例にもれず。例えば『Les Laudes』https://www.youtube.com/watch?v=yDBPdvURT_8。フロレンツの名を冠したオルガンの賞もあるみたい。フロレンツ協会みたいのもあるのね。Association Jean-Louis Florentzhttp://www.jeanlouisflorentz.com/fr/accueil,2.html。(2014.10.26)

○佐藤勝『ゴジラ対メカゴジラ』の音楽が面白い
「怪獣島応答願います、怪獣島応答願います」。紙コップで作ったヘッドホンとマイクで、怪獣島と本気で交信しようとしていた幼年時代、親にねだって買ってもらったレコード「ゴジラ3」。テレビでたまにゴジラ映画やってても、諸事情で途中からとか途中までとか、きちんと見れてなくて、欠乏感があったのをレコードで埋めていた。でレコード聴いてて特に印象に残っていたのが、ゴジラ対メカゴジラの音楽。メカゴジラのテーマ、っていうんですか、それがとにかくパワフルでかっこいいのである。音楽は「用心棒」http://www.youtube.com/watch?v=3FwRXnOv3-wなどで知られる佐藤勝。用心棒の音楽もカッコ良くて好きです。ようつべで探したらあったので聴いているんですが、「メカゴジラ現る」(ゴジラに扮したメカゴジラがアンギラスを痛めつけるところの音楽)http://www.youtube.com/watch?v=kzt6toJEiGs、「メカゴジラ出現」(ゴジラに扮していたメカゴジラがいよいよその正体を現したところ) http://www.youtube.com/watch?v=puOEDQS3OKkなど、ビッグバンド的なパワフルさと深刻ぶらないある種の明るさでぐいぐい押してくる。素晴らしい。同じテーマで作られた「メカゴジラをやっつけろ」(作詞:福田純、歌:ベルベラ・リーン) http://www.youtube.com/watch?v=ynh7g8JLMy8も良い。ぜひカラオケで歌いたい一曲。ちなみに、ゴジラ3には「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ!」(作詞:関沢新一、作曲:真鍋理一郎、歌:子門真人)http://www.youtube.com/watch?v=pZ8IDyI5tiAという歌も入っていて、これもまたいい感じです。(2013.11.17)

○ドロール・ファイラーが面白い
youtubeでたまたま、「Music for Dead Europeans」http://www.youtube.com/watch?v=J0CaGLOGI3gという曲を聴いてみたところ、めちゃくちゃな感じが良かった。1951年生まれ。イスラエル出身スウェーデン在住。「白雪姫と真実の狂気」という、赤い液体を満たした長方形の池に、自爆テロを起こしたパレスチナ人女性の写真を帆のように掲げた作品をストックホルムの歴史博物館で発表して、それに激怒したイスラエルのツヴィ・マゼール駐スウェーデン大使が作品を破壊して問題になった、同姓同名の人がいるらしいんだけど(記事http://www.47news.jp/blog/OUT/200401/OUT_KEY/%E8%8A%B8%E8%A1%93%E5%AE%B6%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC.html)、同一人物でいいんだよね?音楽でも美術でも、めちゃくちゃやってるんだなあ。なんだろう、以前ヴィンコ・グロボカールの「Der Engel der Geschichte」(歴史の天使)http://www.youtube.com/watch?v=wTZI-hZsk4k聴いた時と同じような感じを受ける。気合の入り方というか、気骨というか、そういうものが根本的に違うような気がする。「Music for Dead Europeans」の動画でも出てくる本人の面構えからして。聴いたのはどれも良かったけど、「Ember」http://www.youtube.com/watch?v=tmRrpq7fztQも良かったです。どうでもいいけど、ここ更新するの一年ぶりなんだな。(2013.5.13)

○ベアト・フラーが面白い
フラーは1954年スイス生まれウイーン在住の作曲家。ノイヴィルト、ベルンハルト・ラングに続き、またウイーン、オーストリアか。何気にようつべで「ピアノ協奏曲」http://www.youtube.com/watch?v=8eVuwGlazcA見つけて、聴いてみたのがおらの初フラーで、同時期に聴いたミカエル・ジャレルのピアノ協奏曲http://www.youtube.com/watch?v=m7os1chYr1Qのほうが面白いと思っていたのですが、何度も聴いていくうちにやっぱりフラーかな、と(誤解のないように言っておきますが、ジャレルの曲も素晴らしいです)。何度聴いても聴き飽きない感じが素晴らしい。ピアノソロの「Phasma」http://www.youtube.com/watch?v=HQYJw8SzsXw、最高に良いです。クラスターと普通の音の音色の対比とか、複雑なリズムとか、最後まで聴き飽きない。あと素晴らしいのが、やはりピアノ(二台)とオーケストラのための「ヌン」http://www.youtube.com/watch?v=01zq8UluvH4。どの曲も現代音楽ではありますが、いわゆる現代音楽の凶暴さ激しさ、というのとはまた違う(通じるものはあるんだけど)、透徹した美意識に貫かれた音楽、という感じがするのです。(2012.4.29)

○謎の彼女Xが面白い
いよいよ始まったアニメ『謎の彼女X』http://www.starchild.co.jp/special/nazokano_x/。おらの好きなマンガ家、植芝理一の現在連載中の同名漫画が原作のこのアニメ、第一話見てみた。いやいやいや、素晴らしいではないですか!実はおら的には、どっちかっていうと、謎カノXよりも、『ディスコミュニケーション』とか『夢使い』とかの方が好きだったりするんですが、アニメはとってもいい感じ♪。エロいじゃないですか?いい感じの演出じゃないですか?どの作品にも共通するのは、「変態」ってことですが、アニメのほうが変態感強いかも。卜部の声も合ってるような気がする。まあね、事前に単行本8巻ドラマCD付き限定版買って聴いてたからね、声に慣れてたってのもあるかもしれないけどね。これは期待できる。楽しみです。もし出来ることならば、夢使い、もう一度原作どおりにアニメ化してほしいなあ。ニコニコチャンネルhttp://ch.nicovideo.jp/channel/nazokano_x(2012.4.15)

○コンロン・ナンカロウの自動ピアノのための習作が面白い
コンロン・ナンカロウ(1912-1997、アメリカ〜メキシコ)は自動ピアノのための習作で有名な作曲家。ピアノロールという穴のあいた巻物みたいなものをセットしてスイッチ入れると、穴のあいた所の音が出る、ていう仕組みになっている。ナンカロウは、ピアノロールに直接穴を開けて作曲してたのね。ようつべで、自動ピアノが演奏している様子も写した動画があって、面白い。ピアノロールをセットするところから始まるってのがまた。No.5http://www.youtube.com/watch?v=_blu992stWw。No.9http://www.youtube.com/watch?v=9ZcTPAiGrqQ。No.11http://www.youtube.com/watch?v=ZeQdqkvhKWQ。No.15http://www.youtube.com/watch?v=KALf828FuU0。No.17http://www.youtube.com/watch?v=mbtluwBw3rk。No.21http://www.youtube.com/watch?v=f2gVhBxwRqg。No.21は、大学の講義で聴いて、ホントにびっくりした。なんだこのカッコよさは!ていうか、すごいね。 No.25http://www.youtube.com/watch?v=H53NM6qs4bw、No.30http://www.youtube.com/watch?v=x_zLUpJCPJk、No.40http://www.youtube.com/watch?v=BXFiq19-KSE、No.43http://www.youtube.com/watch?v=YdCsOUyJ2tY、No.45ahttp://www.youtube.com/watch?v=fBl8M3ev1OIとか、ゲームの効果音みたいな感じがする。機械が演奏することを前提にしているという点でゲーム音楽ていうか音、と共通性あるかな。例えばギャラクシアンhttp://www.youtube.com/watch?v=6WHKyX3Oko8とか。そういう観点で聴くと、ゲームの効果音が面白く思えてきます。そのほか、良いなと思ったのは、No.31http://www.youtube.com/watch?v=UKFy-MdVTrk、No.42http://www.youtube.com/watch?v=To_W-_01OD0、など。番号後半の、40番台以降のはどれを聴いても面白いです。(2012.4.1)

○ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ天使たち〜 が面白い○
ドラえもんの映画は毎年映画館で観ているのですが、これは去年公開の映画で、1986年公開の「のび太と鉄人兵団」のリメイク作品。それをなんで今頃取り上げるかというと、つい一昨日、テレビでやってたのを見て、やっぱりこれは歴代映画ドラの中でも傑作と思ったから。「のび太の宇宙開拓史」がやはり一番の傑作であるのには変わりないのだが、それに迫る勢いで傑作。ちなみに、おらの中での上位には、雲の王国とか太陽王伝説とかが入っちゃったりもしてますが(もちろん大魔境も海底奇岩城も上位に入る)。映画館でいっぺん見てるからか、冒頭の歌(調べたら「アムとイムの歌」ていうのね)http://nicoviewer.net/sm15222696かかっただけで、もうね、、、。始め敵同士として出会い、触れ合ううちに友情をはぐくむ、というのはまあよくあるパターンではありますが、そのふれあいの一環として効果的に使われるのが、この歌。その友情というのは、地球人を奴隷にすることが祖国メカトピアのためになると思っていたリルルやピッポの心を変え、さらにはメカトピアの歴史改変のための重要な要素ともなるわけです。宇宙開拓史ではのび太たちがそれぞれの特技を生かして活躍するのがとても良いわけですが、そういう点での物足りなさはまあ、ある。鏡面世界を作り出した時点ですでにあったザンダクロスの部品が鏡面世界にコピーされていなかったりの矛盾も、まあある。だがそれを補って余りある、感動をたたみかけてくる後半の展開には涙腺崩壊ですよ。DVD買わねばなるまい。あと、メカトピアの弾(でいいのかなあ?)がキラキラ光って、とても美しいのが良いです。兵器は美しくなければならない、ということを教えられました。映画公式サイトhttp://doraeiga.com/2011/。(2012.3.18)

○ばらばらですが、いくつか面白いと思ったものを○
現代音楽とかが好きでよく聴いているわけですが、それ以外のものが嫌いってわけじゃなく、たまに無性に聴きたくなることがあり。その中でも面白いと思うものを。列挙します。「秘密警察」(桃箱×愛原圭織)http://www.youtube.com/watch?v=ezEY-cL-Q5c。見たことないけどアニメ「電波女と青春男」から、「Os-宇宙人」http://www.youtube.com/watch?v=AFWm7_fE7Uw。やったことないけど、前にかっこいいゲーム音楽ある、て教えてもらった「Einhander」から、「STREET」http://www.youtube.com/watch?v=6AldIERbaoE、「THERMOSPHERE」http://www.youtube.com/watch?v=WN5jGNNUFAk、「BLOODY BATTLE」http://www.youtube.com/watch?v=r6n0hPq_vaQ。あと、やっぱり良かった、ゲーム「パンツァードラグーンツヴァイ」の「Destiny Begins」http://www.youtube.com/watch?v=KtTYxwzl4VU。好きな現代音楽と共通点ないかというとむしろ共通点あるかね、やっぱり。音が多彩で複雑な感じがする、とか。同人音楽の人たちも、すごいいいの作ってるんだな。(2012.3.11)

○ベルンハルト・ラングが面白い○
ネットラジオで現代音楽とかよく流れてる局(ていうかサイト?)があって、そこ聴いてたらいかす音楽がかかってて、それがベルンハルト・ラング(1957〜、オーストリア)の曲。題名「DW17」だったか。。。記憶が定かではないんだけど、とにかく良いなと思ったのでyoutubeで探して色々聴いてみた。ラジオ局はconcertzenderhttp://www.concertzender.nl/programmagids.phpていうオランダの局らしいんだけど、そこのNieuwe Muziekていうところで。曲名のDWというのは、Differenz/Wiederholung(差異と反復)の略で、同じ題名のシリーズが何曲もある。題名の通りなのか、音楽も執拗に反復されてる。例えば「DW7」http://www.youtube.com/watch?v=XJr8hr1EK8Q。「DW3」http://www.youtube.com/watch?v=eLro_rbp24k。「DW8」http://www.youtube.com/watch?v=3vf9DrpmvIg。「DW2」http://www.youtube.com/watch?v=h0Vzbcml6Gs。その点では、先日のケヴィン・ヴォランズとか伊福部昭とかミニマル音楽とかと類縁があると言っていいかな?他にも、「Monadologie」というシリーズもあって、モナドロジー(単子論)ってますますミニマルだなあ。「Monadologie VII」http://www.youtube.com/watch?v=dstyPyy7lpo。前紹介したオルガ・ノイヴィルトもオーストリアの作曲家。侮れないオーストリア。その他2006年のモーツァルトイヤーの公演に、「I HATE MOZART」http://www.youtube.com/watch?v=ftsf8u8OxDAなんていうオペラ作っちゃったり。これって、モーツァルトイヤーを日本語でモーツァルト嫌ーと読んで、そのまま題名にしたってわけ?まさかねえ。ベルンハルト・ラングのサイトhttp://members.chello.at/bernhard.lang/。(2012.1.8)

○木山光が面白い○
以前、木山光(1983〜)がすごい!と諸事情で今は消してしまった日記に書いたりしたこともあったんですが、やっぱり良いので、その日記(保存してあった)を再掲。
「木山光という若手の『無実の投獄者2007』http://jp.youtube.com/watch?v=-LIw8ykSmGUというピアノ曲をたまたまyoutubeで聴いちゃって、他の曲もいろいろあったので聴いてみたら、いま最もヤバい作曲家なんじゃないかと(おらが知る限りでは)。3本目の手が必要になる(足で弾く)壮絶なピアノ曲『スリーシェルズ』http://jp.youtube.com/watch?v=qyy3CRuMQnc&feature=related、増幅・変調された音が大音響で延々繰り広げられる音量注意のホラーな音楽(合唱曲、って、、、)『Over Drive Chorus 2007 for chorus』http://jp.youtube.com/watch?v=LBY9lF7lLfY&feature=relatedなど、ぶっぱなしの凶暴性ととどまるところを知らない音量で圧倒される。いやー、すごいもんを聴いてしまった。。。そのうち楽器燃やし出すんじゃないかという勢いだ。それか、演奏者自身が防護服来て火だるまになって演奏しろとか楽譜に書いてきそうだ。その他後ろから走ってきた勢いでピアノを叩くとか(楽譜に書いてある)ピアノの前に跳び箱が置いてあって飛び越して落ちてくるエネルギーを鍵盤に叩きつけるとか(楽譜に書いてある)そんなことしそうな。こういう人間の限界を要求するようなことって、熱血マンガみたいだよなー。アヴァンギャルド=熱血、てことで。(2008.4.12)」
『Kabuki』http://www.youtube.com/watch?v=i_RubZ50YPYていう、上の文書いた後で書かれた曲、今回初めて聴いたんだけど、これもまた良い。意外なほどに音が多彩。爆音オンリーな作曲家ではないことが瞭然。爆音に隠れて実はこういう音があふれていたのか。まあすでに無実の投獄者も音が多彩でしたが。『Luminous Orchestra 2008』http://www.youtube.com/watch?v=7cEagbsbq-wという曲も良い。爆音系だけど、音もわりと聞こえる。やっぱり良いですなあ。(2011.12.25)

○ケヴィン・ヴォランズのピアノ協奏曲第2番「アトランティック・クロッシング」が面白い○
ケヴィン・ヴォランズ(1949-)は南アフリカ生まれの作曲家。おらが初めてケヴィン・ヴォランズ聴いたのは、高校の時近所の図書館で借りてきたクロノスカルテットのアルバム収録の「ホワイトマン・スリープス」http://www.youtube.com/watch?v=7fTZhDCNpRgで、なんともフワフワした音色とアフリカンな雰囲気の音楽に、不思議な音楽を作る人、というイメージでインプットされたのでした。2楽章がNHK-FMの「現代の音楽」のテーマ曲になってたから、よく耳にしてたことはしてた。でようつべでヴォランズのピアノ協奏曲、第2番なんだけど、「アトランティック・クロッシング」http://www.youtube.com/watch?v=k4AQ3GEeTVcというのがあって、どんなのか聴いてみたらこれがまた。かっこいい!ポストミニマルな芸風て言われてるだけあって、ミニマルな感じの短い音型が執拗に繰り返されるんですが、この伊福部ばりのオスティナート、燃えるなというほうが無理でしょう。西洋化されたアフリカ音楽のエキゾチズムではなくて、アフリカ化された西洋音楽、なのだそうです。伊福部昭も同様、日本化された西洋音楽だよなあ。そういう作曲家になぜかオスティナートという手法が共通しているのは興味深い。ちなみに、伊福部昭にも「ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ」(すでに題名にオスティナート入ってますね)http://www.youtube.com/watch?v=d6qDEGdXA4Aというとんでもなくエネルギッシュな曲があって、これもまた名曲です。(2011.9.25)

○ルイジ・ノーノが面白い○
こないだリュク・フェラーリのことをここで書いたときに出てきたので、イタリアの作曲家ルイジ・ノーノ(1924-1990)。初めてのノーノは高校の時ラジオで聴いたテープ音楽『アウシュヴィッツの仕打ちを忘れるな』http://www.youtube.com/watch?v=-z-IUbwaMC0。薄気味悪いし怖くも感じさせるような音楽なのですが、でもどこかの教会とかホールとか学校とかで音が響いてくる時のような、なんかしらの懐かしさも感じてしまう、てちょとおかしい?ここで以前取り上げたオルガ・ノイヴィルトの、『死と乙女U(Der Tod und das Madchen U)』にちょと似ているところもあるかな。あと有名なのがピアノとソプラノとオーケストラとテープのための『力と光の波のように』http://www.youtube.com/watch?v=8YV6FP28-FM。題名も含めて、いいよなあ。テープ使ったやつ結構面白い。シュトックハウゼンやブーレーズから時代遅れと言われてたらしいですが、おらにとってはノーノのとんがった感じはまだまだ現役で楽しめる。いや実はむしろシュトックハウゼンがあまり面白く感じられないんだよな、なんでか。おらも感性が時代遅れってことなのかなー。まあ、いいもんはいいんで、仕方ないね。あと面白かったのは、ヴァイオリンとライブ・エレクトロニクスとテープのための『ノスタルジー的ユートピア的未来の遠景』http://www.youtube.com/watch?v=X-CKVm8MXxU。やっぱり、音ですか。音がいいと思うと、好きだなーと思うらしい。(2011.7.24)

○森奈津子が面白い○
森奈津子(1966-)は、セクシュアリティを主なテーマに書いている小説家。はい、この欄で初めて音楽ネタを離れました。初めての森奈津子は、古本屋で買った『SFバカ本 たわし篇プラス』(廣済堂文庫)収録の短編『哀愁の女主人、情熱の女奴隷』。死んだ兄夫婦から巨額の富とともにアンドロイド・ハンナを相続した時子だったが、実はハンナは兄夫婦両方の相手をするべく買われた、バイセクシャルでマゾヒストで三度の飯よりセックスが好きなセクサロイドである。という設定のコメディなんですが、ハンナの言動がいちいち面白くて、なんとなく作家の名前を記憶していた。でこないだ本屋で見つけたSFアンソロジー『年刊日本SF傑作選 量子回廊』(創元SF文庫)に森奈津子があったので立ち読み(すみません)。『ナルキッソスたち』。これがまたぶっ飛んでて面白かった。この世には異性愛とか同性愛とか両性愛(ここまで人類の人類に対する性愛)とか動物性愛(人類の他の生物に対する性愛)とか、いろんな性嗜好がありますが、自分が恋愛対象であるセクシャルマイノリティが存在するという設定で展開される。自分が恋愛対象って、ただ単にオナニーが大好きってことなのかっていうとそうではなくて、自分が恋愛対象なので、自分に犯される悦びと自分を犯す悦びがないまぜになった、そういう性嗜好なのである。っていう設定からしてもう。で性交渉を持った相手と瓜二つの姿になってしまう特殊体質を持つ人が出てきて、自分(と瓜二つの人)への性愛が燃え上がる。で自分(と瓜二つの人)に飽きられて捨てられたり、自分(と瓜二つの人)と自分の間の子をなぜか身ごもったり。検索してみたら、『2001年宇宙の足袋』なんていう題の作品があったり、面白すぎる。
森奈津子HPhttp://morinatsuko.com/。(2011.7.10)

○リュク・フェラーリが面白い○
昔(今もあるのかな)、ラジオで「音の風景」とか言って、港の音とかが延々流れてるような番組があったんですが、リュク・フェラーリ(1929-2005)はそんな印象の「音楽」。環境音を利用したテープ音楽、具体音楽の作曲家として著名(テープじゃないものも多数作曲しています)。テープ音楽ていうと、ノーノとかクセナキスとかにも良いのがあって、ていうかクセナキスに関してはクセナキスすごい!と思うきっかけになった「ヒビキ・ハナ・マ」もテープ音楽だし、結構好きなわけだったりするんですが(そういえばラウタヴァーラの「鳥と管弦楽のための協奏曲」とかも前衛の香りのしないテープ音楽だ)。「Music Promenade 」http://www.youtube.com/watch?v=TykshkP-DKoや「Presque rien No.1」http://www.youtube.com/watch?v=z2aWEM1nnNgなどの、録音した音をその音のイメージから切り離さず自然に聞こえるように使っているのが他の作曲家とおおいに異なる点。「L'escalier des aveugles」http://www.youtube.com/watch?v=3Z42ZR2mPdYのように多少変調が加えられてても、元の音からそんなに切り離されてない。ような気がする。「Strathoven」http://www.youtube.com/watch?v=0TtdbUdURIYていう、ベートーヴェンとストラヴィンスキーをミックスしたアホな着想の作品(褒めてる)もあって、良いよなあ。ちなみに、普通に楽器使った音楽も作っていて、『Plaisir-desir』http://www.youtube.com/watch?v=lmbSrdRowtMとか、かっこいいです。(2011.7.3)

○クロード・ヴィヴィエが面白い○
youtubeで、適当に打ち込んだ文字列で検索かけて、ヒットしたものの中からおらが好きそうな奴を選んで聴いてみたところ、良かった。クロード・ヴィヴィエClaude Vivier(1948-1983)の『Wo bist du Licht!』(光よ汝はいずこに)http://www.youtube.com/watch?v=WGSBNevgPeg。いきなり好みど真ん中っぽい曲。素晴らしい。ヴィヴィエはカナダの作曲家で同性愛者でもあり、パリのゲイバーで出会った男に刺殺されたらしい。他にも聞いてみたんですが、ヴィヴィエにハズレなし。どれも良い。享年35歳直前かよ。天才。なんというか、音がいい。ていうか、今までここで取り上げた作曲家って、大体が音が豊富で、オーケストラの精妙な和声や電子音や録音した声などの具体音など、その組み合わせ取り合わせ方が好き。ってことに気付いた。ピアノのための『シラズ』http://www.youtube.com/watch?v=lpyRueJ1MiQ、ソプラノと管弦楽のための『みなし児』http://www.youtube.com/watch?v=KhDjUzapdgg、など、本当どれも良いです。天才。(2011.6.26)

○ハンス=ヨアヒム・ヘスポスの「-Z ... ( )」が面白い○
またyoutubeで面白い作曲家いないか色々聴いていたところ、「-Z ... ( )」http://www.youtube.com/watch?v=3Qluv4MK1iE という曲につきあたりまして、これがまたいい感じにきてる曲だったので。。。前回のこんにゃく座の親しみやすさに共感を覚えておいて何ですが、また突出してる感ある音楽。ヘスポスは1938年生まれのドイツの作曲家。日本語で読めるとこなくてそれ以上ちゃんと分からんのですが、前のめりな作曲姿勢は今でも変わっていないらしい。この曲、一人のピアニストのための、てなってるらしいんだけど、ほとんどピアノ弾いてない。要素が多くてごちゃごちゃしてる、ていうおら好みな曲でありました。ヘスポスのサイト http://www.hespos.info/index.php。(2011.5.8)

○オペラシアターこんにゃく座が面白い○
妻がなにかCD買ってあげるてことで、いろいろ見て「あ、こんにゃく座のCDあるんだー」て今まで林光関連で名前聞いたことあるだけで全然その活動も何も特に知らなかったんだけど、買ってもらったの(妻友丹さんありがとう)。「オペラシアターこんにゃく座ソング集 ぼくたちのオペラハウス」(フォンテック)。日本語の歌唱による日本語のオペラの普及を目指し1971年に創立されたオペラ集団で、全国の学校やその他様々な劇場などで巡業公演を行ってきた。その舞台は2部構成で、1部は「ソング」と呼ばれる歌の舞台、2部は1幕物のオペラ。そのソングを集めたCD。オペラといっても日本語が聞き取れるオペラを目指しているのでオーケストラがばばーんて華やかに伴奏するのではなく、ピアノ伴奏が中心。こないだ大賀ホールで軽井沢オペラ「カルメン」みたんだけど、日本語公演で、日本語を母国語とする聴衆に日本語で歌うてことは、つまり歌詞が聞き取れるように歌わなくてはならないのでよりハードル高いと思われる(この公演もとてもよかったですが、ここでは詳しく語らず)。CDでは特にこんにゃく座の活動を表現してあまりある、こんにゃく座のテーマソングでもありCDの表題にもなっている「ぼくたちのオペラハウス」には感動した。泣いた。http://www.youtube.com/watch?v=LE1yC37OGmsの一番最後で聴けます。他にも、激しい場面の詩なのに静かな曲がつけられそれがかえって不気味な「あらしの歌」、やっぱりちょっと薄気味悪い「ひみつ」http://www.youtube.com/watch?v=XT7KsYHqh08、宮澤賢治の「星めぐりの歌」も歌ってるんだけど今まで聴いた中で一番素晴らしいです。ようつべにもあるかと思って見てみた。こんにゃく座の同期五人組による「5map」http://www.youtube.com/watch?v=Z851MHRnbVg超楽しい。オペラも一部見れて、どれもこれも見に行きたくなる。今まで知らなくて人生損してた。機会があればライブ見に行きたいです。方向性も親しみやすくそれでいて芸術性ある、というもので、おらの方向性と共通するものがあり共感する。まあ今までここで紹介したのって結構突出してるもの多かったんで何だけど。にしても、全国の学校巡業して公演、ていいよな。展覧会も学校巡業して回ったら楽しそう。やるか?こんにゃく座サイトhttp://www.konnyakuza.com/index.aspx。(2011.5.1)

○オルガ・ノイヴィルトが面白い
1968年生まれのオーストリアの作曲家、オルガ・ノイヴィルト。ようつべでよく知らない作曲家を色々あさってて、これはと思った一人。名前、オルガ・ニューワースって言うんだと思ってた。おらが知らなかっただけで、すでに著名な人らしいんですが。アヴァンポップな作風を展開することもありその点ではここで以前紹介したヤコブTVと同じ流れか。最初に聞いたのは『Construction in Space』http://www.youtube.com/watch?v=kF1aVhE_TUg。このごちゃごちゃした感じがたまらん。この曲、全体ではもっと長い(5分割位されてる)『The long rain』http://www.youtube.com/watch?v=egv_mCi8uMIの一部なのかな?同じみたいなんだけど。アヴァンポップ路線の『No more』http://www.youtube.com/watch?v=vMk6oYte-Jcもなかなか。ピアノとCDプレイヤーのための『Incidendo/fluido』http://www.youtube.com/watch?v=MYBlSHbA-Uw、ピアノが歯切れ良くていいです。CDと生楽器の組み合わせ、ていうのもこないだのヤコブTVで聴いたな。シュニトケの交響曲第1番http://www.youtube.com/watch?v=fGRWyyDw9Ccが結構好きなんですが、なんかどれもこの曲と近い印象を受ける。このごちゃごちゃ感がたまらん。うん、そういうの好きなんだな。シュニトケも多様式主義で色々ごちゃごちゃさせてるし、ノイヴィルトもそういう流れの延長にいるのかもしれない。でも多様式主義自体が好きなのかと言うとそうでもないような気がする(シュニトケの他の交響曲は多様式主義かもしれんけど違う芸風で、特に感じるものはない)。なんだろ。ごちゃごちゃ感が好きなのか。特にいいなと思ったのは、先ほどのピアノとCDの『Incidendo/fluido』と、『Symphonie Diagonale』http://www.youtube.com/watch?v=MtBjFv46XLQかなー。(2011.1.30) 追記:『Der Tod und das Madchen II, per voci e nastro magnetico』http://www.youtube.com/watch?v=i893Bi4jDhU、これはかなり良いです。要素が多くってごちゃごちゃしていて壮大。(2011.2.13)

○バレエ『結婚』が面白い
イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲、ブロニスラヴァ・ニジンスカ振付によるバレエ『結婚』。まあまずはこれhttp://www.youtube.com/watch?v=hysIubKSsq4を見てくれ。音楽も振付もまさにすごいの一言。天才が集結するとこういうすごいことになるっていう見本みたいなもの。特に振付。ただ単にアイデアが豊富っていうのではなくて、最初の着想からすごいって言うか。同じストラヴィンスキー作曲の『春の祭典』は、ブロニスラヴァの兄であるヴァーツラフ・ニジンスキーの振付http://www.youtube.com/watch?v=ewOBXph0hP4がまたすごい。禍々しさが超出てる。天才が集結するとこういうすごいことになってしまうのか。おらも作品にはいろんなアイデアを盛り込みたいと思っているけど、なんだろうね。アイデアの質が違うって言うかね、、、いや、天才ってすごいね。(2011.1.2)
追記:いろいろと『結婚』を聴いていたんですが、いかにもロシアの田舎の風習にありそうな感じで歌っているポクロフスキー・アンサンブルのが、すごいと思った。http://www.youtube.com/watch?v=0bzqV6lv0a0(2013.11.10)

○デュティユーの『時間・大時計』が面白い、ていうか超楽しみ
世界最高の作曲家アンリ・デュティユー(1916年フランス生)の新作『時間・大時計』、2007年のサイトウキネンフェスティバルにて先に完成していた3曲が初演され、その後2009年にシャンゼリゼ劇場にて4曲目も加えた完成版が初演されたわけですが、8月10日にそのライブ録音のCDが発売されるらしい。予約しちゃった。超楽しみです。でも、2007年のテレビ放映を見て推測するに完成版もたぶん10分程度の長さと思われる曲1曲と、デュティユー&指揮の小澤征爾&ソプラノのルネ・フレミングの対談(フランス語)が入ってるだけで3000円もするCDなんて、即予約しといてなんだけど、誰が買うんだ。管弦楽曲全集に入ってない『往復書簡』(2003年)、『一つの和音の上で』(2002年)も一緒に録音してくれたっていいじゃないか。即予約しといてなんだけど。詳しくはここhttp://www.hmv.co.jp/news/article/1007120061/を見てください。(2010.7.18)

○ヤコブTVの「Broken Dreams」が面白い
先日、・小山弦太郎サクソフォーンリサイタル2010 STORY 2010.6.12 佐久勤労者福祉センター、というのを聴きに行ったわけだが。曲目:J・カントルーブ(伊藤康英編曲)/オーヴェルニュの歌 第一集、C・ロバ/9つの練習曲より「ジャングル」、K・フーサ/エレジーとロンド、J・t・フェルドハウス/ガーデン・オブ・ラヴ、E・デニゾフ/ソナタ、高橋宏樹/ガーネット・ゼロ(委嘱初演)。現代曲ばかりのナイスな演奏会だったんだけど、どの曲もとてもよかったんだけど、特に印象に残ったのが、フェルドハウスの曲。ヤコブ・テル・フェルドハウス(Jacob Ter Veldhuis)は、ヤコブTVとして親しまれている1951年オランダ生まれの現代作曲家。アヴァンギャルドでありながらポップなその作風は「アヴァン・ポップ」とも称される。演奏会で聞いたソプラノ・サクソフォンとサウンドトラックのための「ガーデン・オブ・ラヴ」http://www.youtube.com/watch?v=ja7c_xbuWww&。最近何度も聴いてしまうのが「Broken Dreams」http://www.youtube.com/watch?v=eqqHYNou9DU&。自分自身の制作を考えるヒントにもなったのであった。ヤコブTVのサイトhttp://www.jacobtv.net/index.html。(2010.7.11)
追記:久々に聞いてみたら、やっぱりヤコブTV面白いなー。「Exactly」ていう曲、ナイスです。http://www.youtube.com/watch?v=99ZGEukOFYwhttp://www.youtube.com/watch?v=0Cw9FawEOOg(実演版)。(2011.7.24)
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