地獄風呂(2001)F100、油彩、キャンバス 第55回二紀展入選佳作

この絵、実はずいぶんと長い期間かけて描いています。初めから二紀に出す予定だったわけではなかった。太陽が寿命を迎えて膨らんできてその結果として地球は熱くなってくる。そうすると水蒸気が大量発生してその温室効果によりさらに温度が上昇、岩石も溶け出す灼熱地獄と化すのである。それを温泉みたいと思ったのがこの絵のアイデアのきっかけ。みんなで終末に温泉に行こう、みたいな。特に植物の成長が著しくそのほとんどが巨大化してしまう。一部の金持ちや権力者たちは宇宙へと脱出するが、その他大勢は地上に残される。最後の瞬間、彼らは今はもう飛んでいるはずのない鳥が大量に空を舞っているのを目撃する。金色の鳥を。この時点でやりたいことはすべてやり切ったので、自信作、などと肩肘張って思ったりしないほどのものになった。なんかもうどういう評価をされても別にかまわない、ていう感じ。ちなみに植物の繁茂する終末、というアイデアはブライアン・オールディス『地球の長い午後』から。時間をかけてゆっくりじっくりと作品を作るほうがいいアイデアも浮かんでくると思うけど、ゆっくり過ぎてもだれるしね。ジレンマだ…
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